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【アラベスク】  第7章 雲隠れ(後編)



すごく大雑把な [ あらすじ ]




  中学時代、美鶴(みつる)が想いを寄せていた澤村(さわむら)優輝(ゆうき)の語る過去。それは美鶴に依存する里奈(りな)の姿。優輝は里奈へ異常なほどの執着心を向け、里奈が一番慕う美鶴へは嫉妬心を燃え上がらせる。里奈の裏切りが自分の誤解だったと知らされるも、状況の異常さとトルエンの影響、身体は束縛で自由が利かず、美鶴はただ頭が混乱するだけ。
 一方、里奈宛の手紙を盗み見てしまったツバサは、誰かに話すべきかと思い悩む。そんな彼女の姿に誤解してしまったコウだが、里奈との苦い過去を繰り返してはいけないと、意を決して口を開く。そんなコウの態度に己の態度を恥じるツバサ。
 同じ頃、(さとし)瑠駆真(るくま)は行方のわからない美鶴に不安を抱く。あれやこれやと考えあぐね、最終的に向ったのは霞流(かすばた)邸。出迎えた慎二(しんじ)に心当たりはないが、ふと脳裏に浮かぶのは、夏の京都で手渡した携帯電話。コウとツバサから聡に連絡が入り、五人で美鶴の救出へ。
 危ないところで助けられた美鶴。優輝(ゆうき)は最後まで堕ちた世界から抜け出せなかったが、美鶴も里奈も無事保護され、とりあえずは一件落着。
 だが、これですべてが解決とはいきそうもない。
 相変わらずツバサの心内には里奈とコウとの関係が(くすぶ)り、慎二は本性を隠したまま。瑠駆真は聡に対して遅れていると焦りを募らせ、また美鶴に携帯電話を手渡していた慎二に対しても不信感を抱く。
 夏の京都で何があった?
 さらには英国留学から帰国した生徒に、聡の妹の(ゆら)も不穏な存在。
 そして何より、美鶴と里奈の関係は?
 疲れきり、自宅で眠りに落ちた美鶴。目覚めても彼女を待ち受けるのは、平穏安楽な日常ではなさそうです。







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